毎年60万円ずつで、5年間なら300万円です。
それで毎月楽しく遊ぶことができたのですが、5年後に解約してみると、円高と金利上昇で基準価額が下がっており、ちょうど700万円しか戻ってこなかったとします。
それでも、すでに受け取っていた分配金とあわせれば1000万円になります。
話を単純にするため、当初の1万円と5年後の1万円は同じ価値とすると、この投資信託を買った人は損をしていないと考えていいのでしょうか。
いいえ、毎月の分配金(計300万円)が所得税の対象となり、そこから税金を取られていた分だけ損をしています。
一方で、とりあえず手数料などを無視すると、もしこの投資信託が一切分配をしていなければ、5年後に1000万円を受け取れたはずです。
実際には、他の金融取引や所得との関係によって所得税の負担が異なりますので、複雑な話なのですが、とはいえ、このタイプの投資信託で運用を始めると、とりあえず毎月(あるいは隔月)の分配金が得られますから、それだけに注目して満足する客が多く、利用客の評判がさらに新規の客を呼び込むという循環が生じています。
そこで、巨額の資金を集めたことを売り物にした広告もみられます。
投資信託の名称の上に「毎月決算型」と大きく書かれており、毎月分配型投資信託であることがわかります。
また広告の下側では、北海道から沖縄まで、日本中で226社がこの投資信託の販売を取り扱っていて、純資産総額が5.1兆円に達したことが強調されています。
日本人の中には「みんなが買っています」といった言葉に弱い人が多いので、こういった広告もかなり有効なのでしょう。
基本的な考え方としては、税金の分だけコストが高くなる可能性があると認識しておくべきでしょう。
そもそも投資信託としての信託報酬が高い上に、毎月分配という仕組みによって税金を余分に支払う可能性があるのですから、全体的なコストが高すぎて、長期的にみればかなり不利な資産運用だと思われます。
さらにこのタイプの投資信託には、他にも問題点があります(話がややこしくなりますので、本書では説明を省略します)。
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